過去の掲載
スピオルトレスピマットが長期処方できるようになりました
2016.12.02
COPD治療配合剤(LABA+LAMA)のスピオルト®レスピマットの投薬期間制限が解除されました。また60吸入が新発売されました。
スピリーバレスピマット適応症拡大のお知らせ
2016.08.29
スピリーバ®2.5µg レスピマット®60吸入(ベーリンガーインゲルハイム社):気管支喘息の適応で「重症持続型の気管支喘息患者に限る」の制限が削除されました。
スピリーバ®1.25µg レスピマット®60吸入:新たな剤型として製造販売承認されました。効能・効果は、気管支喘息の気道閉塞性障害に基づく諸症状の寛解です。(COPDには適応がありません)
★気管支喘息の長期管理薬(吸入薬)・COPD吸入薬のまとめを改訂しました
- 吸入方法の説明・動画のご紹介 -
2016.06.09
種々ディバイスによる気管支喘息の長期管理薬(吸入薬)のまとめ、
種々ディバイスによるCOPDの吸入薬のまとめ を改訂しました。
吸入薬は、少量(内服薬の100分の1以下)の薬剤を、口から直接吸入し、効果を発揮します。しかし飲み薬と違って、しっかり吸入できないと十分な効果が得られないという難点もあります。従来から喘息治療の専門施設では、単に薬剤を処方するだけではなく、患者さんへの吸入指導に力を入れてきました。当院でも診察時に、実物やパンフレットを使って、初めての処方時は必ず、またその後も随時、正しく吸入できているかを医師が確認していますが、限られた診察時間の中では十分とは言えません。
今回、吸入方法の説明・動画のお勧めのサイトを薬剤ごとに検索してみました。表中の薬剤名をクリックするとリンクします。患者さん向けのサイトで、検索できた薬剤のみのご紹介ですが、吸入方法の理解の参考になれば幸いです。
☆「吸入レッスン」サイト(外部サイト)のご紹介
ほとんどすべての吸入薬の使い方が、動画でまとめられているサイトです。正しい吸入方法の理解のため、リンクさせていただきました。ご参照ください。
抗IL-5抗体(ヌーカラ:一般名メポリズマブ)が発売されました
2018.04.17
抗IL-5モノクロナール抗体(ヌーカラ®:一般名メポリズマブ、グラクソスミスクライン社)が、5月25日に薬価基準収載され、本日発売されました。非常に高価な薬剤ですが、高用量の吸入ステロイド薬を含めた種々の治療薬を使用しても、コントロールの不良な重症喘息患者さんにとって、新しい有効な薬剤となることを期待します。詳細は4月8日掲載の下記別稿をご参照ください。
エクリラ400μgジェヌエア60吸入が発売されました
2016.06.01
COPD治療薬(LAMA)のエクリラ400μgジェヌエア60吸入用が新発売されました。また従来の30吸入用を含め、投与期間制限が解除されました。
現在、気管支喘息に対して開発・治験中の新しい分子標的治療薬のご紹介(2017.10.18更新)
2016.04.08
将来、臨床的に使われる可能性のある新規の薬剤をいくつかご紹介します。
・抗IL-5受容体α鎖抗体(ベンラリズマブ、アストラゼネカ社)(2017.10.18追加):IL-5の中和作用に加え、ADCC(抗体依存性細胞障害活性)もあり、好酸球を直接除外する作用があり、気道の好酸球をほぼ完全に除去することが期待されます。
・抗IL-13抗体(レブリキズマブ、ロッシェ/ジェネンテック社):血清ペリオスチン(IL-13により誘導される細胞外マトリクスタンパク質で、喘息患者の気道細胞の線維化に関与すると考えられています)が高値の患者さんで有効性が報告されています。(1)
・抗IL-4Rα抗体(デュピルマブ、サノフィ/レジェネロン社): IL-4とIL-13の共通なセレプター構成成分であるIL-4レセプターα鎖に対するモノクローナル抗体で、喘息の病態に深く関与するIL-4およびIL-13のシグナルを阻害します。好酸球増加を伴う持続性喘息に対する有効性が報告されています。(2)
・TSLP特異的モノクローナル抗体(テゼペルマブ)
上皮細胞由来のサイトカインである胸腺間質性リンパ球新生因子(TSPL: thymic stromal lymphopoietin)に特異的なヒトモノクローナル抗体で、炎症反応のより上流で作用します。ICS (中~高用量)+LABA吸入でコントロール不良の喘息で、好酸球数に関係なく喘息増悪率を低下させたと報告されています。(3)
(1) Corren J, et al: N Engl J Med 2011; 365: 1088-98.
(2) Wenzel S, et al: N Engl J Med 2013; 368: 2455-66.
(3) Corren J, et al: N Engl J Med 2017; 377:936-946.
抗IL-5抗体(ヌーカラ:一般名メポリズマブ)の効能効果承認のお知らせ
2016.04.08
ヒト化抗IL-5モノクロナール抗体「ヌーカラ®皮下注用100mg:一般名:メポリズマブ(遺伝子組み換え)製剤」(グラクソ・スミスクライン社)の効能・効果が承認されました。(2016.3.28)成人および12歳以上の小児で、既存の治療によっても喘息症状をコントロールできない重症の気管支喘息のみが対象です。高容量のICS(吸入ステロイド薬)+他の長期管理薬を併用しても、コントロール不良な重症患者さんに追加投与を検討することになります。
気道の慢性炎症は、抗原提示細胞・T細胞・肥満細胞・好酸球・気道上皮細胞・好中球・線維芽細胞などの多くの免疫担当細胞が相互に複雑に関与しています。これらの免疫担当細胞から産生される蛋白分子をサイトカインと呼び、きわめて微量で強い生理活性を示し、細胞間の情報伝達を担っています。作用はそれぞれ特異的受容体(レセプター)を介して発現し、炎症細胞の分化・増殖・活性化に働くことから、炎症性サイトカインと呼ばれています。近年、サイトカインに対するモノクローナル抗体が、関節リウマチなどの自己免疫疾患を中心に治療薬として多く研究・開発されています。
好酸球は、気管支喘息などのアレルギー性炎症の重要な炎症細胞の一つです。白血球から産生されるサイトカインを、一般にインターロイキン(IL)と呼びます。新しいILが次々と発見・同定されていますが、好酸球に関与する主要なサイトカインにIL-3・IL-5・GM-CSFなどがあります。IL-5は、1986年から高津聖志先生らにより発見・同定・クローニングされたILで、選択的に好酸球の産生分化の最終段階に働きます。(ちなみにIL-2・G-CSF・IL-6・IL-8・IL-18など多くのサイトカインが日本人の研究者により発見されています)
ヌーカラ®は、好酸球の細胞表面に発現するIL-5受容体α鎖へのIL-5の結合を阻害し、IL-5のシグナル伝達を阻害して、好酸球の分化増殖・浸潤・活性化を抑制し、気管支喘息に対する効果が期待されています。(米国では、昨年11月に承認されています) 固定用量100 mgを4週間に1回皮下投与します。
好酸球は気管支喘息の病態において、重要な炎症細胞の1つであることは多くの研究が示唆しています。しかし、気管支喘息の病態は非常に複雑で、1つの炎症細胞やメディエーター・サイトカインで説明できるものでは決してありません。臨床で直接に気道・肺内の好酸球性炎症の程度を評価することは難しいのですが、重症の気管支喘息でも、治療によらず好酸球やIgEなどが逆に低い場合も多く経験するところです。好酸球が多いタイプの重症の喘息患者さんがまず適応になると考えますが、種々の薬剤を使用してもコントロールの不良な重症喘息患者さんにとって、新しい有効な薬剤となることを期待します。
(追加 2016.4.14)ヒト化抗IL-5抗体の喘息患者さんに対する最初の臨床治験は、16年前の2000年に英国から報告されています。
(1)。24名の軽症のアトピー型喘息患者さんに、抗IL-5抗体(SB240563)を静脈内投与し、血中・喀痰中の好酸球数は著明に減少しましたが、抗原吸入誘発後の遅発型喘息反応は抑制されず、気道過敏性も改善されませんでした。また抗IL-5抗体(mepolizumab)の静脈内投与は、血中の好酸球数は100%減少させましたが、気道過敏性や肺機能には影響を与えませんでした(2)。その後2014年に、576人の好酸球の多い重症の気管支喘息患者さんでの研究(MENSA study)で、症状の増悪頻度・肺機能(一秒量)・QOLが改善されたと報告されています(3)。投与されたIL-5抗体が、炎症局所の気道・肺での好酸球数、さらには細胞の活性化にどうしたら有効な効果をもたらすのかは、今後の課題でもあります。
(1) Leckie MJ, Barnes PJ, et al. Lancet 2000; 356, 2144-2148.
(2) Flood-Page PT, Kay AB, et al. Am J Respir Crit Ca e Med 2003; 167, 199-204.
(3) Hector GO, et al. N Engl J Med. 2014; 371, 1198-1207.
新しいCOPD治療薬のご紹介(スピオルトレスピマット)
2015.12.03
本日、スピオルトレスピマット®(日本ベーリンガーインゲルハイム社)が発売されました。新規LABA(オロダテロール)とLAMA(スピリーバ)の合剤で、1日1回2吸入のCOPD治療配合剤です。3剤目のLABA+LAMAの配合剤となります。
アノーロの処方日数制限解除・エンクラッセ(新規LAMA)発売のお知らせ
2015.10.01
アノーロエリプタ®(グラクソ・スミスクライン社)が長期処方できるようになりました。LABA(ビランテロール)とLAMA(ウメクリジウム)の合剤で、1日1回吸入のCOPD治療配合剤です。また同時に、同剤中のLAMA(ウメクリジウム臭化物)単独も、エンクラッセエリブタ®として発売され、長期処方もできます。1日1回吸入の本邦4剤目のLAMAとなります。下記(2015.5.21掲載)の表(種々ディバイスによるCOPD吸入薬)も改訂しましたのでご参照ください。
また新規LABA+LAMAの配合剤のスピオルトレスピマット®が製造承認されましたので、同表の中でご紹介いたします。(未発売)
★気管支喘息の長期管理薬(吸入薬)のまとめ
2016.06.09
先日、「COPD吸入薬のまとめ」を作製しましたが、喘息の吸入薬(長期管理薬)についてもまとめてみました。配合薬などが増えてきていますので、位置づけの整理のためにご参照ください。
種々ディバイスによる気管支喘息の吸入薬(ドライパウダー製剤)
※【2016年6月7日改訂:吸入方法の動画を追加】
【2017年6月15日改訂:アニュイティを追加】
【2020年7月2日改訂:エナジア・アテキュラを追加】
【2020年12月2日改訂:テリルジーを追加】
※吸入液あり
吸入方法の動画・説明でお勧めなサイトがあるものは、薬剤名をクリックするとリンクします。
あくまでも検索できたサイトでのみのご紹介ですが、ご参照ください。
気管支喘息の吸入薬(エアゾール製剤)【2016年6月7日改訂】
ICS:吸入ステロイド薬、LABA:長時間作動型β2刺激薬、LAMA:長時間作動型抗コリン薬
他にインタールエアロゾル(化学伝達物質遊離抑制薬)あり
吸入方法の動画・説明でお勧めなサイトがあるものは、薬剤名をクリックするとリンクします。
あくまでも検索できたサイトでのみのご紹介ですが、ご参照ください。
喘息予防・管理ガイドライン2015が公開されました
2015.06.03
喘息予防・管理ガイドライン(JGL 2015)が3年ぶりに改訂されました。LAMA(長時間作用性抗コリン薬)であるチオトロピウムのソフトミスト製剤(スピリーバレスピマット®)が、中等症持続型以上に相当する治療ステップ3・4の長期管理薬に追加されました。
吸入ステオイド薬の普及により、喘息死は確実に減少し(10年前の4分の1)ていますが、コントロール不十分の喘息患者さんは意外に多いことが報告されています。以前から、海外では抗コリン薬を中等症~重症の喘息発作の救急治療薬として使用しています。また最近、吸入ステロイド薬とLABA(長時間作用性β刺激薬)でコントロールが不良のぜんそく患者さんで、チオトロピウム(LAMA)が有用であったことが報告されています。(詳細)今後日本でも、LAMAの併用により、より良い喘息のコントロールが得られることが期待されます。
★新しいCOPD治療薬のご紹介(エクリラ)とCOPD吸入薬のまとめ
2016.05.21
新規COPD治療薬「エクリラ®ジェヌエア®」(キョーリン製薬)が本日発売されました。
アクリジウム臭化物を有効成分とする新規のLAMAで、「ジェヌエア®」という新しいディバイスを使って1日2回吸入します。スピリーバ(チオトロピウム)、シーブリ(グリコピロリウム)に次ぐ3剤目のLAMA(長時間作用性抗コリン薬)です。現在、様々なディバイスがあり、単剤・合剤も多くなってきました。COPDの治療に使われる吸入薬(ドライパウダー製剤)をまとめてみました。アドエアはエアゾール製剤も使用できます。
種々ディバイスによるCOPDの吸入薬
※【2016年6月7日改訂:吸入方法の動画を追加】
【2017年8月24日改訂:レルベア100を追加】
【2019年3月27日改訂:テリルジー100を追加】
【2019年6月21日改訂:ビレーズトリ・ビベスピを追加】
【2022年6月6日改訂:ビレーズトリ120吸入を追加】
赤字がCOPDに適応あり
ICS:吸入ステロイド薬、LABA:長時間作動型β2刺激薬、LAMA:長時間作動型抗コリン薬
※エアゾール製剤あり
吸入方法の動画・説明でお勧めなサイトがあるものは、薬剤名をクリックするとリンクします。
あくまでも検索できたサイトでのみのご紹介ですが、ご参照ください。
レルベア・フルティフォームが長期投与できるようになりました
2014.12.01
ICS(吸入ステロイド薬)とLABA(長時間作用性吸入β刺激薬)の合剤です。アドエア(ディスカス・エアーゾール)・シムビコートに加え、4種類の配合剤の長期投与が可能になりました。
ウルティブロ(LAMA/LABA配合気管支拡張薬)が長期処方できるようになりました
2014.12.01
シーブリ(長時間作用性吸入抗コリン薬)とオンブレス(長時間作用性吸入β刺激薬)の配合剤で、COPDの治療薬です。
スピリーバレスピマットが気管支喘息に使用できるようになりました
2015.05.13
COPD(慢性閉塞性肺疾患)の治療薬として使用されているLAMA(長時間作用性吸入抗コリン薬)です。重症持続型のみの適応です。
シーブリが長期処方できるようになしました
2013.12.01
1日1回のLAMA(長時間作用性吸入抗コリン薬)で、COPDの治療薬です。
フルティフォーム(杏林製薬)
2013年12月
フルチカゾンプロピオン酸エステル(FP)とフォルモテロール(FM)の配合剤です。アドエアのICSであるFPとシムビコ^トのLABAであるFMの配合剤となります。エアゾール製剤(pMDI)で,50エアゾール56吸入用と125エアゾール56吸入用があります。
レルベア(グラクソ・スミスクライン)
2013年12月
フルチカゾンフランカルボン酸エステル(FF, 鼻炎用ステロイド点鼻液のアラミストに同じ)とビランテロールトリフェニル酢酸塩という新しいLABAの配合剤です。1日1回(1吸入)の使用で、エリプタという新しいディバイスで吸入します。
オーキシスがCOPDに使用できるようになりました
2012年9月
シムビコートに含まれているLABA(長時間作用性吸入β刺激薬)のホルモテロールです。日本では気管支喘息の適応はありません。セレベントやオンブレスと同じ系統の薬剤です。
SMART療法(Symbicort Maintenance and Reliever Therapy)シムビコートの症状増悪時の追加吸入が承認されました
2012月6月
朝・夕2回の定期吸入(長期管理)に加え、発作・症状の増悪時に追加吸入(発作治療)できます。発作時に使用するサルタノールやメプチンの様な短時間作用性β刺激薬とは異なりますので、実際の使用法についてはあらかじめ主治医と相談して使用してください。
オンブレスがCOPD治療薬として使用できるようになりました
2011月9月
1日1回の新規LABA(長時間作用性吸入β刺激薬)で、COPDの気道閉塞性障害に基づく諸症状の改善に期待できます。カプセル剤で専用のブリーズヘラーを用いて吸入します。2009年11月にEUで、2011年7月にアメリカで承認・発売されています。
アドエア125エアゾール120吸入用・アドエア250エアゾール120吸入用
2010.04.23
アドエア125エアゾール120吸入用・アドエア250エアゾール120吸入用が発売されました。それぞれフルタイド125μg+セレベント25μg、フルタイド250μg+セレベント25μgが含まれています。成人喘息に対し1回2吸入×2回使用します。125エアゾールは、COPDにも使用できます。エアゾール製剤ですので、吸う力が弱くてドライパウダー製剤がうまく吸入できない高齢者の方や、ドラーパウダー製剤で嗄声(声がれ)などの局所の副作用がでやすい方に適しています。LABA(長時間作用性β刺激薬)であるセレベントの容量は変えれませんが、50製剤を含めフルタイドの量を、成人では200・500・1000μgと必要量に応じて使用できます。小児では、50製剤のみが使用でき、1~2吸入を1日2回使用します。
シムビコートタービュヘイラー30吸入・60吸入
2010.1.12
シムビコートタービュヘイラー30吸入・60吸入が、10月16日に製造販売承認され,1月13日から使用できます。吸入ステロイド薬(パルミコート)と長時間作用性β刺激薬(フォルモテロール)の合剤です。1日2回の吸入製剤で、2000年にSymbicortの製剤名で、2009年5月現在、世界105カ国で承認されています。日本ではフォルモテロール単剤での発売はないようですが、セレベント(サルメテロール)に続き、日本で2番目のLABA(長時間作用性β刺激薬)が配合されています。同じβ受容体拮抗薬ですが、セレベントより即効性が期待でき、容量依存的に効果を示します。症状の増悪時に、あらかじめ決められた量に増量することにより(AMD: adjustable maintenance dosing)、患者さんが症状に合わせてきめ細かく薬剤の量を調整することができ、臨床効果の面でも期待されています。
アズマネックスツイストヘラー100μg60吸入(モメタゾンフランカルボン酸エステルドライパウダーインヘラー)
2010.10.18
アズマネックスツイストヘラー100μg60吸入(モメタゾンフランカルボン酸エステルドライパウダーインヘラー)が、9月14日に発売されました。点鼻液は先行発売されていましたが、気管支喘息に対して用いる、我が国では5番目の吸入ステロイド薬です。肺局所での抗炎症効果が強く、ドライパウダー製剤の中では、粒子径が最も小さく、末梢気道への効果が期待できます。
アドエア(100)ディスカスが小児でも使用可能になりました
2014.12.03
アドエア(100)ディスカスが小児でも使用可能になりました。フルタイドが100μgに対し、セレベント50μgが含まれていますので、小児では少なくともstep 4で使用されると思います。今春には、セレベント25μgのエアゾル製剤も使用可能になる予定で、コントローラーとして、吸入ステロイド剤に加えてLABA(長時間作用型β2刺激薬)を必要とする小児には有効な製剤になると考えます。
アドエア(250)ディスカスがCOPD(慢性閉塞性肺疾患)にも適応拡大されました
2014.12.03
アドエア(250)ディスカスがCOPD(慢性閉塞性肺疾患)にも適応拡大されました。喘鳴など喘息の症状(asthmatic compornent)が併発・合併する場合には、有効な薬剤となります。(2009.1.21)
抗ヒトIgEモノクロナール抗体製剤(一般名:オマリズマブ、商品名ゾレア皮下注用)
2012年12月
1月21日に抗ヒトIgEモノクロナール抗体製剤(一般名:オマリズマブ、商品名ゾレア皮下注用)が、製造販売承認されました。今春には使用可能になる予定です。重症気管支喘息(高容量の吸入ステロイド薬および複数の喘息治療薬を併用してもコントロールが難しい)の患者さんで、通年性吸入抗原に対しアレルギー反応陽性、IgE 30~700、体重30kg~150kgの16歳以上の成人が対象となります。月に1~2回の皮下注射を4か月続けるを1コースとします。昨年8月時点で、世界70カ国で承認を得ており、有効率は60%程度と報告されています。高価な薬剤で、適応も限られていますが、重症喘息患者さんの喘息コントロール・喘息死亡率の軽減に期待されている薬剤の一つです。
アドエア50エアーゾール120吸入用
2009.04.08
アドエア50エアーゾール120吸入用が発売されました。従来のドライパウダー製剤ではなくエアゾール製剤(pMDI製剤)で、フルタイド50μgに対し、セレベント25μgの配合製剤です。小児では重症度に応じて1ないし2吸入を1日2回、成人では2吸入を1日2回使用します。あと何回使用できるかのカウンターが付いています
モンテルカスト(シングレア・キプレス)
2007年10月
10月2日からモンテルカスト(シングレア・キプレス)が、1歳から6歳未満の小児にも適応拡大されました。
気管支喘息の病態における重要な化学伝達物質(chemical mediator)の1つであるロイコトルエンの受容体拮抗薬の1つです。1995年に世界初のロイコトルエンの受容体拮抗薬が日本から発売されました(プランルカスト=オノン)が、モンテルカストは1997年にアメリカの制約会社(メルク社)から発売され、現在世界中で広く使用されています。軽症喘息の長期管理薬として、またstep 2以上の喘息の方には、吸入ステロイド薬の第2選択薬として、セレベント(長時間作用型β刺激薬)と共に使用されています。
今まで6歳以上の小児には使用されていましたが、今回、1歳以上の小児にも使用できるようになりました。特徴は、1日1回(通常寝る前)の内服であることです。服薬コンプライアンスの向上が期待されます。
アドエアディスカス(グラスコスミスクライン社)
2014.12.03
すでに使用されているフルタイド(吸入ステロイド薬)とセレベント(長時間作用性吸入β2刺激薬)が一緒になったお薬です。
海外では1998年にスウェーデンで承認されて以来、セレタイドの名前で世界120カ国以上で使用されています。
最初は成人のみの認可ですが、いづれ小児にも適応拡大される予定です。
喘息管理のガイドラインでは、低用量の吸入ステロイド薬だけで十分コントロールできない場合に、セレベントやロイコトルエン拮抗薬(オノン・シングレア/キプレス)の併用を推奨しています。
この他にも、optionとなる様々なお薬がありますが、すべてを使用することがbestではありません。患者さんの病態や喘息のステージにに合わせて必要最小限のお薬を使用します。
また、コントロールが得られた後のお薬の減量方法(step down)も、専門医にお任せください。吸入ステロイド薬とセレベントの2剤を必要とする方にとって、使いやすい有用なお薬といえます。
近い将来、同系のお薬で、パルミコートとフォルモテロール(日本未発売)の合剤も、使用可能になる予定です。
オルベスコ(帝人ファーマ社)
2014.12.03
ベコタイド/アルデシン(フロン問題で現在は使用しません)・フルタイド・パルミコート・キュバール(代替フロン製剤)に続き、日本で5つめの吸入ステロイド薬です。
一般名をシクレソナイドといい、吸入の効率がよく、肺内のエステラーゼにより加水分解され、肺の局所で強力な抗炎症作用を示します。肺での停留性が高いため持続性がある一方、全身性の副作用はほとんどないと報告されています。
ご興味のある方は、2000年にある医学雑誌に書いたステロイド吸入薬のトッピクス」をご覧下さい。